要素技術は揃ってます
天井には適切なスクリーン素材を貼付・設置。万一の地震で落下しても軽い素材だと安心です。ベッドのヘッドボード近辺にプロジェクターを設置。近年急速に進歩したL E D 等の低発熱、長寿命光源で寝具近辺での使用にも安全で経済的です。従来の赤外線リモコンに加え、音声コマンドなど、より自然な操作手段が既に実用レベルです。新たに開発すべき要素技術はほとんどありません。
医療・介護の満足度が向上
航空機搭乗時に流れる非常時の行動を解説するビデオ。例えば検査の概要、目的、注意点などをビデオ化すれば、より正確で深い理解を提供できます。検査結果、治療方針や経過あるいは手術後の説明なども視覚的に提供することで、より上質なインフォームド・コンセントを実現できます。天井を情報や娯楽の窓として利用できると、介護老人の知識・知見は深まり、周囲との話題も幅が広がります。医師、看護師などの医療人あるいは家人、友人とのビデオ通話は有力なコミュニケーション手段であり朗らかさの源となります。
医療費適正化にも貢献
私たちは視覚を通して多くの情報を得ます。無味乾燥な天井ばかりを見ていると、人生の大半をともにしてきた大量の視覚情報・刺激は激減し、多くの場合、認知機能の変調をきたします。逆に、たとえ身体運動能力は制限されても思考能力の減退を防げれば、医療・介護にも協力的となり医療者は本来の業務に集中でき、業務能率が改善。治療手段の主役「投薬」の適正化も期待できます。
そして私たち自身も年老います
自分自身の親のためにという発想は世の東西を問わず、時代を超えて尊重されるべき「思いやり」の最たるものでしょう。一方、私たちは皆、当然ながら歳を重ね、病床に臥せるかも知れません。その時になって、殺風景な天井をぼんやりと見つめながら「あの時に構築しておけばよかった」と後悔したくないのです。「親世代」のためだけでなく、「私たち世代」がやがて子の世代のお世話になる必然を考えると彼らのためでもあるのです。そして医学の恩恵である「長寿」を享受する諸国にとって、この悩みは共通のものです。人間的(しかも経済的)なソリューションを日本から世界に提案そして「お裾分け」できればと願っております。